2009年3月7日土曜日

ロシアについての麻生首相の勘違い

 麻生首相は、サハリンでの日露首脳会談を終えて、帰国すると、北方4島返還について「新たな、独創的で型にはまらないアプローチによって解決する」と、得意げにしゃべりましたが、非常に危険を感じます。北方4島問題は、「向こうは2島返還、こちらは4島返還」を主張し、進展がないので、官僚に任せずに、政治判断を行うということでしょうが、北方4島は日本固有の領土であり、現在は、不法に占拠されているに過ぎません。麻生発言は、間をとって、3島返還で合意するともとれます。麻生首相は、ロシアという国について、勘違いしているようです。
 司馬遼太郎氏も書いていますようにロシアは帝政ロシア時代から、いったん手にした領土を元の持ち主に返すようなことはしません。返せば、その首脳は、地位を失います。以前にエリツィン大統領は、日本に歩み寄ろうとして、否定されました。ロシア人の世論調査でも67%が現状維持です。共同統治や日本への売却は1ケタにとどまっています。
 領土問題は、手をつけず、現状維持で、日本との経済関係を深めるというのが、ロシアの考え方です。ロシア首脳はロシアの版図は狭すぎるとも考えています。ロシアとの交渉は、相当にタフな人でないと解決は無理でしょう。自分がちょっと行って解決できると思っていったら、どこかの毛も抜かれて帰って来ることになるでしょう。タフな首相が出て来るまで待って、交渉を再開すべきです。

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