2011年4月23日土曜日

平成の後藤新平は出現するか

 ソフトバンクの孫正義社長(53)が、東日本大震災の被災者のために、個人で100億円を寄付、合わせて死ぬまで年収を寄付すると発表しました。最近にないいいニュースでした。「ユニクロ」のファーストリティリングの柳井正会長兼社長(62)や楽天の三木谷浩史会長兼社長(46)らも、10億円の寄付を発表しています。かれらもよく成長したものと思います。

過去には、明治から大正にかけて、数多くの破綻銀行を救い、銀行王と呼ばれた安田善次郎氏が思い浮かびます。東京大学の象徴とも言える大講堂の建設費用を寄付して、「東大安田講堂」にその名を残していますが、寄付した100万円は、現在では約4億円に当たるといいます。もっとも安田氏は、原則として寄付を匿名で行っており、生前は知られていませんでした。かといって、納得のできない寄付の申し入れには、たとえ少額でも断固として拒否しましたから、世間では「吝嗇家」の悪評が広がっていました。

残念なことに大正10年に神奈川県大磯の別荘を訪ねてきた男の凶刃によって倒れ、82年の生涯を終えましたが、この時には、犯人が英雄扱いされたほどだったといいます

安田氏の訃報を聞いて、「しまった」と口走ったのが、当時、東京市長だった後藤新平氏でした。安田氏は、後藤市長の「東京改造」計画に賛同して、当時の国家予算のほぼ半分に当たる8億円の支援を約束していました。その東京が2年後、関東大震災によって壊滅的打撃を受けました。復興のために後藤氏が立てた案は、大幅に縮小されました。それでも後藤氏のおかげで、東京は関東大震災から復興しましたが、今回の震災はどうでしょう。わたしは、復興大臣は、岩手県か、宮城県に住んで、陣頭指揮すべきと思います。復興するまでは、東京に戻らないという意識をみせないといけないと思うのですが、いまだに復興会議とか分けの分からない組織を作ってお茶を濁そうとしています。菅さんも自分が責任を持ってやるのであれが、首相を辞めて、復興大臣に専念すべきです。

東北地方太平洋岸の復興には、気が遠くなりそうな時間と資金が必要で、かつ聡明で計画性に富んだ頭脳と体力が欠かせません。なにより強い使命感が欠かせません。今の政治家の中から「平成の後藤新平」の出現はあるのでしょうか。期待するばかりです。

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