日米首脳会議後、安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明らかになった」と胸を張り、事実上の交渉参加を“宣言”しました。大新聞も「すべての関税を撤廃しないことを、安倍首相が、米大統領と確認した」と大々的に報道されました。
世論が好感したのは、安倍首相がオバマ大統領から大幅な譲歩を引き出したかのように報じられたからです。
しかし、これは全然違うと、ジャーナリストの小倉正行氏は、述べています。「米国はもともと、『関税の完全撤廃の約束』を日本に求めていません。『すべての物品を関税撤廃の対象にして交渉のテーブルに着く』ことを要求していただけです。最初から求められていないことを、さも米国から要求されているかのように見せかけて、オバマ大統領から譲歩を引き出したかに演出したわけです。これが日米首脳会談の真相です。大新聞は政府の詐欺の片棒を担いでいるようなものです」
今回の日米共同声明は、“すべては交渉の結果次第ということを確認したに過ぎない。「聖域」や「例外」が担保されたわけではない。共同声明には、米側の要求で懸案事項として自動車と保険分野が明記されました。米側の”聖域“だけが明文化され、日本の農業などは共同声明で具体的に触れられませんでした。
米国の狙いは日本車への高額の関税を維持して国内自動車産業を守り、一方で日本の保険市場に進出してかんぽ生命の牙城を崩すことです。
“聖域”=例外はあくまで各国との個別交渉で決まるもので、事前の確保、保証はあり得ません。その危うさを伝えなければいけないのですが、タカ派首相に対して、大本営発表が続く日本の今後が恐ろしいと日刊ゲンダイは書いています。
26日は、スズキの鈴木修会長兼社長が、新製品発表会で、米国政府が日本の独自規格である軽自動車に関して税制優遇を問題視していることに対して、「各国によって税率は違っており、そういうのは、内政干渉だ」と気炎を上げましたが、米自動車メーカーは、輸出障壁になっていると軽規格の廃止を主張しているようです。
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