2013年3月30日土曜日

官民ファンドが焼け太り

 3月18日、官民共同出資ファンドの「地域経済活性化支援機構」が業務を開始しました。中小企業の借金返済を猶予してきた「中小企業金融円滑化法」が3月末で期限切れを迎えるため、新たな支援組織が必要だというのが健前で出来たものです。実際はJALを救済したあの「企業再生支援機構」を延命させるためです。

「企業再生支援機構」は、5年間の時限組織として0910月に発足し、現在4年目。ところが、震災復興にかこつけ、民主党政権で15ヶ月の延長を決め、今回さらに名称変更までして衣替えし、当初より5年長い20183月までの温存が決まったものです。

「一度作った組織はつぶさないで天下り先にしていく。それが霞が関の常套手段です」と、元経産官僚の古賀茂明氏が述べています。

この機構には少なくとも5人の官僚出身役員がいるといいます。社外取締役に元中小企業庁長官と元検事総長。専務2人と執行役員1人は経産省と財務省からの出向者です。役職員は合計180人で、役員以外にも2030人の官僚がいるとみられるが、機構の広報担当は「職員の出身母体の内訳は公開情報ではない」と言って口を閉ざしたそうです。

機構の出資金231億円のうち130億円は政府出資、つまり税金です。そのうえ今回の衣替えで、支援する企業名は「非公表」になりました。「信用低下を恐れて支援を受けることをためらう企業が多い」というのが理由らしい。そうなると支援に失敗して、資金が焦げ付いてもヤブの中となります。機構はやりたい放題であると3月20日の日刊ゲンダイは、書いています。

「非公表は絶対におかしい。本来、再生可能なまともな企業は、支援を受けることを公表してもらいたがりますし、むしろした方がいい。逆に、したがらないのは再生できない企業に多い。今後、機構はそうした危ない企業を次々支援していくつもりなのでしょう」と古賀茂明氏は、辛辣に批評しています。

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