この20年間、世の中に出回るカネの量を40兆円から130兆円に増やしましたが、景気は良くなりませんでした。どんなに市中にカネをまき、ゼロ金利にしても、銀行の貸し出しは増えなかったわけです。
浜田氏の教え子の池田信夫氏までが、「これは10年以上に散々議論され、効果がないと結論づけられた政策なのです」と、バッサリ切り捨てています。
「デフレ不況がつづいているのは、需給キャップが15兆円もあるからです。GDPの6割を占める個人消費を活発にし、その結果モノの値段を上げていくしかありません。ところが、“インフレターゲット論者”のあべ安倍首相は、最初にモノの値段を上げようとしています。因果関係はアベコベですと、筑波大名誉教授・小林弥六氏(経済学)も述べています。
企業は給料をアップさせるつもりは、まったくありません。賃金アップに応じているのは、ローソンと安川電機くらいのものだと書かれています。経団連もその気はありません。
1970年代のアメリカは、執拗なバラマキと手ぬるい金融引き締めによって、物価は高騰したのに、雇用は低迷がつづくという”スタグフレーション”に陥ってしまいました。
給与は上がらないのに、物価が上がれば、さらに実体経済は悪化していきます。はたしてアベノミクスは成功するのでしょうか。安倍首相が、稀に見る幸運とこれを必ず実行するという強い意志の持ち主であれば、これに賭けてもいいと思うのですが、安倍首相には、少し欠けているように思います。まあ、それでも民主党の首相よりはましかというのが、多くのひとの本音でしょうか。
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