薄氏は、都市住民でなければ受けられなかった健康保険などの恩恵を農村出身の住民も利用できるようにするなど、都市部と農村部の格差を圧縮しようとしました。公共住宅の建設や大規模なインフラ計画も推進し、重慶市を人口1000万人の最も急成長する都市の一つに育て上げました。
中国共産党中央によって、重慶市党委書記を解任された薄煕来氏は、汚職や職務怠慢などの疑いで共産党機関の調査を受け続けており、結論はまだ出ていません。
薄氏を支えた重慶市議会議長にあたる陳存根・市人民代表大会常務委員会主任は、3月26日に同市党委員会を解任されました。
薄氏一派は重慶における人事権が奪われました。
薄氏の遼寧省時代の部下で、腹心の一人として知られる呉文康・重慶市党委員会副秘書長は、同市の主要会議をすべて欠席し、行方が分らなくなりました。当局に拘束された可能性が高いと思われます。薄氏のマフィア一掃キャンペーンを推進した王鵬飛・渝北区副区長や、夏沢良・南岸区党委書記らも相次いで党の規律検査委員会関係者に汚職などの名目で連行されました。
昨年11月に重慶市内のホテルで実業家の英国人男性が不審な死で発見され、英国政府は中国側に対し、死因の調査を要求しているといいます。実業家は薄氏一家と近い関係にあり、その謎の死が薄氏失脚をめぐる重要要素に浮上したとしています。
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