19.「幸福になる習慣」づくり
本多は常住坐臥、絶えず快活に生きるために、毎朝目が覚めると、まず「今日も生きていた」と感謝する。忙しければ忙しいほど、仕事が多くできるので、面白く感じるし、毎日、丈夫で、愉快に働かせてもらえることに感謝する。
もし病気でもすると、休息を与えられたと思って、感謝し、十分に休養して、全快後の活動に備える。
貧乏をすれば、負担が軽くなったと感謝し、富めば、有益なことにお金を使えるからと思って感謝する。
あらゆる場合において、苦しい方面、嫌な暗い方面を捨てて、楽しく愉快な明るい方面に心を振り向ける。
本多の長い人生の体験によると、苦難は幸福に至る梯子段であって、幸福の程度は苦難の大きさに比例する。そのため、本多はどんな苦難も勇気と希望をもって、克服し、常に喜びに変えてきた。
仕事など、人生における成功、不成功の差も、山での判断や行動とまったく同じである。
山に慣れていない人は、初めに急いで登るために、歩調が乱れ、息も切れやすくなる。最初に元気を出しすぎると、かえって早く疲れ、悪くすると、真っ先に倒れてしまう。
山を登る際に最も適当な速度は、それがいかにのろくても、まず息切れをしない程度である。急げば急ぐだけ、先へ行って休む時間も多くなる。
人生も登山と同じで、牛の歩みのように遅くても、倦まずたゆまず進むことを第一に心がけるべきである。
不成功者の多くは、いずれも成功者と大差ないほど努力している。ただ、もう一歩というところで苦しくなり、迷い心が生じて、努力を中止してしまう。
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