2012年4月10日火曜日

増税の前に脱デフレを(1)

 消費税の増税に野田首相は異常に執念を持っています。精神的にも学問的にも中途半端なひとが最高の地位に就くのは、国民にとって最大の不幸の象徴です。わたしが不思議に思うのは、一般人の中にも増税が必要という人がいることです。今は、やることがほかにたくさんあります。1997年に橋本内閣は、3%から5%への消費税の増税をやりました。19951月の阪神大震災後、復興の波に乗っていたのにこの増税で、景気は失速しました。そして今日まで慢性デフレの泥沼です。

今回は、東北大震災の復興もほとんど進んでいない中での増税です。ますます景気が悪くなり、税収も増えません。人間は、歴史から学びます。ところが、野田青二才内閣は、学ぼうという真摯さのかけらもありません。

少し古い記事があります。昨年1120日の産経新聞に載せられた編集委員田村秀男氏の意見です。

「復興債償還財源に使う所得税の臨時増税は25年と長期にわたる。増税期間の引き延ばしの結果、1世帯当たりの所得税年間負担増は薄められ、財務省の試算では年収500万円の場合で1600円、800万円だと7360円という。野田佳彦内閣は、『月にならすと負担額はコーヒー1,2分にすぎない』と納得したわけだが、甘すぎる。増税路線は慢性のデフレ病をさらにこじらせるからだ。

グラフは総理府の家計調査データから作成した。物価下落を上回る幅で国民が消費や貯蓄に回せる可処分所得が下落し続けている。可処分所得のもとになる世帯主収入が細っているためで、家電製品や身の周り品の価格が下がっても、100円ショップで何でも買えても、暮らしぶりはより貧しくなるのが日本のデフレ病の特徴だ2010年のサラリーマンのひと月当たり可処分所得は13年前の1997年に比べ66700円、13.4%減ったが、前年比で平均1%、4770円ずつ下落している。

1930年代の大恐慌時の米国のデフレは11年間で終わったが、日本は延々と続き、出口が見えない。日本は昨年まで13年間も下がり続け、ことしはさらに下振れている。

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