2012年4月22日日曜日

佐高信の「原発文化人50人斬り」(2)

 「3月末の『朝まで生テレビ!』で、震災より原発事故のニュースが多すぎるのではと発言して問題となった勝間和代も中部電力のCMに出ていた。化けの皮が剥がれたという感じだが、こうした最近の原発タレントより罪深いのは、大前研一堺屋太一、あるいはビートたけし(北野武)といった“フロンテイア”だろう。勝間は大前を尊敬して、いわば、“おんな大前”をめざしてきたのだし、たけしの場合は兄の北野大や弟子の浅草キッドまで原発推進派である。
堺屋は、かつては『原発反対などといっていれるのは日本だけ。たとえばフランスでは、原発反対運動はただのひとつもない』と暴言を吐いていた。
大前は日立製作所で高速増殖炉の開発に携わっていたから、単なる宣伝屋ではなく実行犯である。
お笑いタレントとは言え、震災による原発爆発後のいま読むと笑えないのがたけしの発言。
『新潮45』の20106月号で、原子力委員会委員長の近藤駿介(東京大名誉教授)と対談して、トンデモ暴言を連発している。
『おいらは大学も工学部ですから、原子力関係の話は大好きなんですよ。今日は新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の中を見学させてもらったのだけど、面白くて仕方がなかった』
『原子力発電を批判するような人たちは、すぐに『もし地震がおきて厚子炉が壊れたらどうなるんだ』とか言うじゃないですか。ということは、逆に原子力発電所としては、地震が起きても大丈夫なように、他の施設以上に気を使っているはず。だから、地震がおきたら、本当にここへ逃げるのが一番安全だったりする()。でも、新しい技術に対しては、『危険だ』と叫ぶ、オオカミ少年のほうがマスコミ的にはウケがいい』
原子力発電所に逃げるのが一番安全なら、たけしはいまこそ、福島の原発に逃げ込んだらいいだろう。たけしの暴走には歯止めがない。次の発言にも絶句するばかりである。
『相変わらず原子力発電に反対する人もいるけど、交通事故の年間死者の数を考えて、自動車に乗るのを止めましょうとは言わない。やっぱり使ったほうが便利だからね。どうも原子力発電というとリスクばかり言う傾向があるけれど、実際、おいらたちはもっとリスクのある社会に生きている。変質者に刺される確率のほうがよほど高いって()
「福島出身で東電のCMに出ていた中畑清が、東電に裏切られたと言っているのにも嗤ってしまったが、渡瀬恒彦星野仙一、あるいは薬丸裕英岡江久美子といったタレントや野球選手と違って、『行列のできる法律相談所』に出ている北村晴男住田裕子といった弁護士や吉村作治などの大学教授、そして、御意見番を気取る三宅久之草野仁大宅映子、キャスターを名乗る木場弘子の罪は一段と重い。投資相談屋の藤沢久美は『文藝春秋』で何度も電事連の広告に出ていながら、原発への『コメントは差し控える』のだという。
『芸は売っても身を売らぬ』が芸者の心意気とされた時代があったが、ここに挙げた“原発芸者“たちは、売る芸がなかったから身を売ったのか。恥知らず者どもである」とここでも佐高氏は峻烈です。。

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