2012年4月11日水曜日

増税の前に脱デフレを(2)

 国会議論にしても危機感に乏しい。日銀もはっきりとした金融の量的緩和に踏み込まない。ビジネス界や経済学者の主流も大手経済メディアもそんな日銀政策をそのまま受け入れる声が目立つし、財務省の増税路線に同調する見解が多い。慢性デフレに世の中が麻痺したかのようだ。

ここで思い起こすのは、「茹で蛙」の寓話である。蛙は常温の水を入れた鍋に入れられ、時間をかけて熱せられてもじっとしている。するといつの間にか茹で上がってしまう。日本のサラリーマンは蛙と同じように、少しずつデフレの温度をあげられているために、何かおかしい、懐具合がどうも悪いな、と思いつつも、そんな日常に順応してしまう。

復興関連の負担増は、所得増税に限らない。年1千円の住民税負担増 (20146月から10年間)や地方の退職所得減税の131月から廃止も盛り込まれている。

野田政権は年金保険料の引き上げや医療・介護の負担率引き上げに加え、2013年あたりからの消費税率を小幅で段階的に引き上げ、10%にしようともくろむ。野田氏は復興増税同様、財務官僚のシナリオ通り、国会で押し切るつもりだ。

財務官僚主導の政策の枠組にどっぷり染まってしまった野田首相や安住淳財務相に物申すのはもはやむなしいが、有権者と国家の将来に全身全霊をささげる覚悟のある政治家ならデフレの現実を直視してほしい。

デフレで所得が毎年直実に減っている上に、増税などで可処分所得はさらに減る。そうなら、家計は消費を、企業は投資を控える。カネは動かず、雇用は縮小の一途をたどる。税収は名目の国内総生産(GDP)の伸びに比例するのだから、増税によるデフレ効果が大きければ所得税収も法人税収も減る。サラリーマンところが、日本国全体が茹で蛙になりかけている。

日銀もしっかりと巻き込んで責任ある脱デフレと成長のための戦略を打ち出し、脱デフレが確実になるまで増税を避けるのが当然の選択ではないか」とまさに正論です。朝日や読売には、こういう正論を話す人が少ないように思います。是非、消費税増税は、ストップしてほしいものです。

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