2011年1月27日木曜日

大和、平城京を読んだ歌

有名な佐々木信綱の和歌があります。
 行く秋の 大和の国の 薬師寺の 塔の上なる ひとひらの雲
この歌は、佐々木信綱が37歳のときに初めて大和への旅行をしたときのものです。明治41年です。日露戦争が終わって3年後のことでした。

そのほか、奈良時代に詠まれた歌が多くあります。
 誰もが知る有名な歌が
  あおによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 盛りなりけり
これは、平城京の役人の小野老が大宰府に赴任を命じられたときに歌ったものです。

 伊勢大輔の
 いにしえの 奈良の都は 八重桜 けふここのへに 匂ひぬるかな
そのほか、
 雪(あわゆき)の ほどろほどろに 降りしけば 奈良の都し 思ほゆるかも
また、
 たち変わり 古き都と なりぬれば 道の芝草 長く生ひけり
という田辺福麻呂の歌があります。これは、平城京から平安京に移った後に歌われたものではなく、奈良から恭仁京に移った後に歌われたものです。

 平安京に移ってから、平城京はどうなったのでしょう。平城京址は、現在の地面から1メートル以上も下にありますから、佐保川が氾濫したりして、土砂を平城宮祉の上に運んだのでしょう。これらの土地は、誰が誰から貰ったのでしょう。いずれにしろ、平城宮祉の多くが残って、次の世代に継がれたのは、幸せといわねばなりません。

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