2011年1月3日月曜日

サムソンはなぜ赤字なのか(3)

次世代の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビも同様で、有機ELは、テレビをより薄くするのに有効な技術とされてきました。

ところが「薄さ競争」が進展し、すでに厚さが1cmを切る液晶テレビまで登場しました。「これ以上、薄くする意味があるのか」と、有機ELテレビの事業性に疑問を呈する声も出ています。個人的には、有機ELテレビをどこまで本気でやるのか、疑問に思っていました。

そして、開発競争は消費者の求めるレベルを超えつつあります。もはやテレビの付加価値を高めることのできる新技術はなかなか見当たらない。それゆえ、テレビ価格の下落はと止まらないと書かれています。

パナソニックの大坪社長は薄型テレビを電機メーカーの「顔」と表現しています。消費者は毎日、リビングルームなどでテレビを目にします。それゆえ、テレビは消費者とメーカーの重要な接点であり、撤退してしまえば顧客とのつながりが損なわれてしまうという考え方です。たしかに、電子レンジや洗濯機、掃除機は、日に1度も使わないことがあるでしょうが、テレビは見るともなしに電源を入れてしまいます。

20117月には、地上波放送が完全デジタル化するのに伴って、薄型テレビの買い替え需要が一気にしぼむことが確実視されています。しかし、他社はどうあれ、自社は生き残ると、各社とも限界まで踏ん張る覚悟のようです。記事では、消費戦は果たしてなく続くと書いていますが、各社とも力押しで戦略がないように思います。日本メーカーには、携帯電話と同様に勝ち残ってほしいものです。

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