2010年8月28日土曜日

経済の現状打破には日銀による株式購入

 産経新聞の8月15日のオピニオン欄に次のように書かれています。カネのストックである現預金残高(金融用語でM2と呼ぶ)は、毎月、前年比で20数兆円増え続けています。銀行は毎月、10兆円前後貸し出しを減らし、30兆円前後も国債を買い増しています。国民が働いてためたカネは、国債という冷凍庫にお蔵入りしていく構図が透けてみえます。

 デフレ不況の日本は、生産能力に対し少なく見積もっても30兆円の需要が不足しています。“負の連鎖”は日本列島を覆っています。消費者は消費を、企業は設備投資を減らし、その結果、雇用が失われていっています。

 政府と日銀の無策は、いわば、マネー敗戦である。それなのに再生と復興に向けた決意が菅直人首相、白川方明日銀総裁には見当たりません。円高・株安基調を止め、株式市場にカネが流れ出すように仕向けるしかありません。政府は大胆で賢い財政支出拡大と公共投資に踏み切り、需要を創出すべきだと書いています。しかし、「ギリシャの二の舞い」ばかり気にする菅政権の手ではとても無理とみるしかありません。

 リーマン・ショックで明らかになったことは、カネの流れを大きく左右するのは株式、金融商品や不動産という資産市場であるということです。政府・日銀が何もしなければ円高はさらに進行します。米国は米国債市場が安定していれば、「ドル危機」とは看做しません。むしろドル安を放置して、米企業の輸出を後押しするつもりです。ここで日銀の出番が来ます。日銀は政府の円売り介入に合わせて、たとえば日銀資金による株式の大量購入という「金融政策」に踏み切るべきです。米連邦準備制度理事会(FRB)が住宅ローン担保証券(MBS)を100兆円分購入し、住宅市場完全崩壊と金融恐怖を防いだ前例もあります。日本の株式は、紙くず同然になり値の付かなかったMBSよりはるかに「優良資産」です。では、どこの株式を買うべきかということでしょうが、そういうことであれば、すぐにわたしがリストを出してあげます。

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