18日の男子110メートル障害予選で劉翔が走れませんでした。劉翔(25)は、前回のアテネ五輪で中国の陸上男子として初めて金メダルを獲得しました。3月に聖火が北京に到着したときには、胡錦濤国家主席からトーチを受け取り、中国国内の第1聖火ランナーの栄誉を担いました。昨年の年収は、1億6300万元(約26億円)で、有名人長者番付で堂々3位の大金持ちにのしあがりました。18日のネットでは、「逃げ足も速い」、「走って負けたらCMが減る。棄権ならば莫大な広告収入に影響がない」、「中国人には似つかわしくない弱い人間」など辛辣な書き込みが並びました。劉翔の金メダルが期待された110メートル決勝の21日は、ダフ屋の格好の対象となり、入場券は正規の25倍になっていました。しかし、劉翔が出場しなくなって、2500元(約4万円)で入手したものが100元(約1600円)にも暴落しました。
かれは、今年の7月のニューヨークのリーボック・グランプリレースに行きましたが、結局、ここでも走っていません。6、7年前に痛めた右足かかとの負傷が再発したそうです。かれは北京の予選レースの前の17日に自らのホームページにも右足アキレス腱を痛めていることを告白していました。しかし、出ないわけにはいかなかったのでしょう。
国民からの非難が、これより大きくなることを恐れたのか、習近平副主席が見舞いの電報を送ったり、新華社通信も「劉翔は人であって神ではない」と理解を訴えています。
野口みずき、土佐礼子といい、中国の劉翔といい、練習と体調管理の難しさ、大事さを痛感します。これと比べて、北島康介の大会にピークを持ってくる調整の素晴らしさをいまさらのように感心します。2大会連続ですから、けっしてまぐれではありません。
Photo:
男子110メートル障害1次予選で、スタート前に足を押さえる劉翔。この後棄権、退場した=国家体育場(共同)
0 件のコメント:
コメントを投稿