今日も昨日からとった「老後の真実」(文藝春秋編)から医師の牧田善二氏の標題を取り上げました。
「糖尿病になったら、ご飯よりステーキを食べなさい」
と聞くと、驚く人も多いのではないだろうか。けれども、牧田氏のクリニックには、現在、これを実践して成果を上げている患者さんが大勢いるといいます。
2007年の国民健康・栄養調査によれば、「糖尿病が強く疑われる人」「糖尿病の可能性が否定できない」の合計は,2210万人と、10年前の1.6倍になっています。30年前は成人の100人に一人程度だったのが、2002年で6.3人に1人。今後は三人に一人が糖尿病という時代が来る予測もあります。
糖尿病には、何らかの原因でインスリンの分泌がまったくなくなってしまう1型、生活習慣などが原因ですい臓機能が弱まり、インスリンの働きが十分でなくなる2型をはじめいくつか種類があるが、ここでは全体の約95%を占める2型糖尿病について話しを進めます。
糖尿病で最も恐ろしいのは、深刻な合併症です。適切な治療をせずにおくと、あるときドカンと大きなツケがまわってきます。糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症であり、その結果として失明する人は年間約3000人、腎症が悪化して人工透析が必要になる人は年間約1万6000人と言われています。
牧田氏が当初担当した患者さんで、失明、透析に至った人は一人もいないそうですが、なぜ毎年これほど多くの人々が失明や人口透析に至るのか。その原因の一つとして、誤った治療法、とくにカロリーコントロールによる食事指導があると牧田氏は考え、警鐘を鳴らし続けているそうです。
牧田氏のクリニックを訪れた40代の男性は、「血糖値を安定させるために、一日の食事を1600㌔カロリー以内にすること」という医師の指導を忠実に守っていました。脂肪分の多そうな洋食は、なるべく避け、和食を中心に、特に腹持ちのいいご飯をたっぷり摂る生活を続けてきましたが、一向に血糖値は下がらなかったといいます。牧田氏は、40代男性に「血糖値を上げないためには、炭水化物を摂らないようにすることが大切。脂肪やタンパク質はいくら摂っても、血糖値には関係がない」と告げました。
牧田氏は患者さんに食後の血糖値が200mg/dlを超えないことを目標にしてもらっているそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿