2013年4月26日金曜日

アベノミクス春闘で平均賃上げ、わずか67円(2)

 


安倍首相の異例の賃上げ要請で注目された今年の春闘も、フタを開けたら、ズッコケそうな内容だったと日刊ゲンダイの4月18日の記事で書いています。連合が416日公表した春闘の回答結果(4回集計)にはあ然で、傘下2139組合の平均賃金の上げ幅は、前年比で月額わずか67円でした。労働総研研究員の木地孝之氏は、「ボーナスが上がった企業もありますが、賃金は今年もほとんどあがっていません。大企業はこの10年間で260兆円もの内部留保を溜め込んでいます。給料を2万~3万円くらいあげてもどうってことありませんが、内需への不安が払拭できないために、設備投資にも賃上げにも踏み切れずにいます。だから、ますます需要が冷え込むという悪循環です。来年、消費増税が強行されれば、ますます内需は冷え込みます。そんなところに、安倍政権は正社員のクビ切り法案なんて検討していますと、あきれています。

サラリーマンの給料は上がらないのに、円安による輸入インフレは確実に押し寄せています。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言っています。

「そもそもアベノミクスによる株価や不動産価格のつり上げ、円安誘導、日銀によるリスク資産買い取りなどは、すべてが“禁じ手”です。とにかく見せかけの景気回復を演出し、参院選や消費増税のためなら何でもありで、国民を惑わせている。大マスコミもそれはやし立て、国民に共同幻想を抱かせている。

 今の状況を見ていると、『ハーメルンの笛吹き男』という童話を思い出します。ネズミ退治を買って出た男が笛を吹いて歩くと、街中のネズミがついてきて、みんな川に落ちて溺死する話しです。男は最後は子どもたちまで連れ去ってしまいますが、安倍政権もこの国と国民を破滅に追いやろうとしているとしか思えません」と、強烈に批判しています。

 安倍政権のリフレ政策は危険なバクチです。国民生活を実験場にする試みです。安倍ブレーンでリフレ派の代表格、浜田広一・エール大名誉教授は、黒田日銀の金融緩和を評価し、「こんなに大規模な“実験”は世界でもそれほど行われてない」としていましたが、責任を持たない大学の教授に任せることには、非常に危険を感じます。

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