次世代テレビとして期待される「有機ELテレビ」を巡って、韓国サムソン電子は昨年中としていた発売時期を2013年前半に延期します。LG電子も発売を今年に先送りしました。高級テレビの需要拡大が見込みにくいうえ、製造コストが下がらず採算を確保できそうにないためです。
ラスベガスのCESでは、どこも有機ELテレビを先頭に、4Kも打ち出していますが、有機ELだから、4Kだからといって売れるとは思えません。
日本勢では、ソニーとパナソニックが共同でテレビ用有機ELパネルを低コストで量産する技術を今年中に確立する方針のようです。
有機ELは、電圧をかけると発光するため、背面から照らすバックライトが不要なために薄型にできるというメリットがあります。
しかし、製造現場では有機ELパネルの歩留まりが思ったように上らず、現状のまま発売すれば売れば売るほど赤字になるようです。
サムソンには低消費電力高画質というイメージが強い有機ELテレビを早期に投入して、高収益につなげる狙いがありましたが、液晶テレビの高画質化も進み、有機ELの優位性は想定より薄れているともいえます。
サムソンが赤緑青の三原色をガラス基板上に形成する手法で苦戦しているのに対して、LG
はコストが安い別の方式を採用しています。いずれも、採算ラインには、まだ届いていないようです。
米NPDディスプレイサーチによると、12年の液晶テレビの市場規模は、約1004億ドル(約8兆5500億円)と、11年より縮小した見込みです。
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