1980年代には保険料の50%以上を貸し付けで運用していた生命保険会社の融資は、いまや資産の13.7%でしかありません。
個人金融資産の17%を預かる世界最大銀行であるゆうちょは、いまでも預かった預金の80%を国債で運用しています。一時は88%を占めていました。ゆうちょ銀行は、海外投資には目を向けず、市場原理のもとでは海外にゆくべき資金を、国際市場につぎ込んだのです。
そのせいで現在、「国債バブル」と「円バブル」が同時進行しているのです。1980年代後半の不動産と株のバブルは、やはり資金が海外に流れず、国内にとどまったせいで、今回と同じ構図です。
前回のバブルも今回バブルも、市場原理が働かない社会主義体制の結果なのです。
通常、金融機関の儲けの最大の源泉は「短期で低金利の資金を調達し、長期で高金利の商品で運用することで得られる金利差から生じる」のです。
日本はバブル崩壊以降、ずっと景気が低迷しているのです。それも半端な低迷ぶりではありません。すさまじいほどです。
マスコミは、深海にいる潜水艦が10メートル浮上すると、「景気回復」と騒ぎます。
日本はバブル崩壊以降、20年以上のわたってとんでもない低迷経済が続いているのです。世間は、その低迷ぶりをはっきり理解していないからこそ、枝葉末節的な景気回復論に振り回されるのです。
2011年末の日本の名目GDPは468兆円。1991年末の469兆円と変わらないのです。20年間も名目GDPが伸びていないのです。
低迷している日本を抜いて中国が2010年、名目GDPで世界第2位の大国になりました。20年前に8分の1しかなかった中国に日本は抜かれてしまったのです。
名目GDPは伸びていないのに、国の累積赤字の伸びの方はすさまじく、この15年間で3倍近くに膨れ上がってしまったわけです。
リーマン・ショック以前、世界は5%成長を5年間続けて「30年ぶりの好景気」だったのですが、日本では「世界的に景気低迷」、ひどいのになると「資本主義はもう終わった」などという見出しが散見されました。
国技館に飾ってある優勝額32枚のすべてが外国人力士の写真でした。製造業でもこれと同じことが起きつつあります。
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