高所得者層が納税の義務を果たしていなければ、国家の歳入が不足するのは当然です。歳出の膨張だけではなく、歳入欠陥がギリシャの場合、問題として大きいといえます。
政治だけでなく行政の機能不全も経済の崩壊を招いています。
ギリシャ経済は3,4年前までは、ユーロ圏の中ではむしろ優等生に属していました(04~07年の経済の成長率は4%)。昨年、突如その成長率がマイナスに転じたのは、債務危機のためなのです。債務危機はあくまでも不況の原因であって、結果ではありません。
「ギリシャ人は働かないからだ」という指摘もあります。これはかならずしも正しくないようです。500万人近いギリシャ人の労働者は、OECD(経済協力開発機構)の中では韓国に次いで年間の総実労働時間が長く、時間当たりの労働者生産性も、わずかですが米国の労働者のそれよりも高いというのです。
こうした数字を見ていくと、今回の危機は、ギリシャの労働者がEUの劣等生だからではなく、富裕層が脱税し規制に巣くうというギリシャの政治、経済的な腐敗にもその原因があることが分ると猪木氏は指摘しています。
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