2011年10月18日火曜日

東芝・日立・ソニーの液晶連合(1)

 東芝、日立製作所、ソニーの3社と官民ファンドの産業革新機構は831日、中小型液晶パネル事業の統合会社を2012年春に設立すると正式に発表しました。電機3社の技術力を結集して新工場を建設し、スマートフォン(高機能携帯電話)など向けに急拡大する中小型液晶市場をリードするのが狙いです。革新機構が2千億円の資金を投入し、再編を主導します。

新工場の立地や経営陣は未定ということです。迅速な意思決定が可能な体制を早期に構築するのが課題です。

第三者割り当増資を引き受ける革新機構が7割の株式を保有し、残りを3社で均等に分け合う。123月期の売り上げ高は単純合算で5700億円の見込み。163月期までに株式上場を果たし、売上高を7500億円以上にするという計画です。

電機3社の中小型液晶市場での世界シェアは10年時点でそれぞれ69%程度で、単純に合計すると22%となり、15%のシャープを抜いて首位となります。

日本の電機大手は液晶パネル事業で先行しましたが、テレビ向けの大型パネルでは韓国・台湾勢に抜かれてしまいました。中小型分野で事業を統合し、世界での競争力を高めるのが、今回の連合する目的です。

再編のシナリオを描いたのは革新機構で、能見公一社長は831日の記者会見で「中小型液晶市場は拡大しており、日本企業にとって千載一遇のチャンス」と述べ、国内基幹産業の成長のために国の資金を投じる必要性を強調しました。

東芝の佐々木則夫社長は「シェア首位で投資を継続しないとリーディングポジョンは維持できない」と統合の理由を語りました。

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