元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏によると、「日本」の解き方で、次のように語っています。「政治家はしばしば『両方とも必要だ』といいます。これは誰にも好かれたい政治家の本性だろう。その典型が『経済成長と財政再建の両立』だ。これは、財務省官僚が政治家たちに振付ける、もっともらしい言葉なのだが、その裏には、まず『財政再建とは増税によるもの』という大前提がある」と述べています。 財政再建には、歳入増を税率アップで目論む「増税」と、経済のパイを大きくする「増収」という2つの方法があります。しかし、経済成長と財政再建の両立という場合、後者の「増収」が排除されています。
名目GDP成長率とその次の年のプライマリー(基礎的財政)収支には9割程度ときわめて強い相関があります。経済成長と「増収」による財政再建では、両立ではなく、経済成長を達成すればいいことを意味しています。
経済成長と財政再建の両立という場合、財政再建は「増税」によるものを意味しています。しかし、その場合、増税を行うと、経済が弱り、結果として歳入増にならず財政再建ができません。これは、1997年に大蔵官僚に乗せられて橋本元首相が消費税率を3%から5%に引き上げましたが、それ以来、税収は97年の水準を下回っています。
経済成長と財務再建の両立という言葉は『財務再建のためには経済成長が第一』という当たり前の話を封じ、『増税こそが第一』という財政再建に反する考え方を政治家らに埋め込むためのものです。
しかし、この簡単な手で、財務官僚に手もなくひねられます。安住大臣などは、財務官僚にとっては、赤子の手をひねるよりも簡単なことでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿