過去の宮城県地震における滑り量と太平洋プレートの沈み込み速度から、貯金に相当する滑り残し量を年間2.6㌢と算出しました。東日本大震災で実際に滑った量(17㍍)をこの数値で割ると660年で満期を迎えたとの結果が出ました。
より日本海溝に近い2つの場所でも計算したところ、周期はほぼ同じ660~720年でした。仙台平野の巨大津波は約450~800年間隔で起きるとする地質調査の結果とも、おおむね一致しました。
今回の約700年周期は滑り残った部分がすべて固着した場合の数字で、仮に半分だけ固着した場合1400年周期になります。自然現象の誤差も考えると、千年前後で繰り返されているようです。
スーパーサイクルの発想は2004年のスマトラ沖地震(M9.0)で米国研究者が最初に提案しましたが、日本では議論が進んでいませんでした。一方、宮城県沖の滑り残し現象はこれまでも知られていましたが、地震を起こさずにズルズルと解消されるとみなされていました。
佐竹教授は、「宮城県沖ではM7.5の繰り返しではなく、M9を基本とする発想の転換が必要で、スーパーサイクルがあれば発生確率の計算も可能になる」と話しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿