「異様なまでの執念で政権に居座ってきた菅直人首相がやっと正式に退陣しました。昨年6月8日の菅内閣発足から8月26日までの445日間は「不毛な空騒ぎ」に終始したとしか思えない。組織を知らず、人の心を理解できず、大局を把握できぬ「市民派・首相」の歪んだ政治主導とそれを取り繕う嘘の数々…。教訓を読み取るため、あえて失政の軌跡をたどった」と8月27日の産経新聞が書いていました。 ねじれが生じたのは自らが率いる民主党が参院選で大敗してからだということは、すっかり忘れているようです。
東日本大震災は間違いなく未曾有の天災でした。東京電力福島第1原発の事故も歴史的惨事だと言えます。ただ、その前後に日本を襲った多くの不幸な事象は首相が起こした人災ではなかったか。信なき首相が復旧・復興の妨げになっていることは、政界では与野党問わず常識だったと産経新聞は痛烈です。しかし、この論調は、すべてのメディアに共通していました。
震災1カ月後の4月12日の記者会見で「与野党協議も震災対応も最大の障害は首相だ。一体何のために地位にしがみついているのか」とただしました。
ところが、首相は「あなたとの見方はかなり違っている」とはぐらかし、以後は8月26日に至るまで一度も質問を受けようとはしませんでした。
第1原発への海水注入の中断問題でも、首相は「私が止めたことは全くない」と自らの関与を全否定していますが、それがごまかしであることは、皆が知っています。
首相が「再臨界の可能性がゼロだと言えるのか」と怒鳴り散らしたことで官邸から「作業中断指示」が出たのも事実です。首相による人災発生を現場の東電吉田所長の信念でかろうじて食い止めたというのが実情です。
0 件のコメント:
コメントを投稿