2010年10月30日土曜日

小沢起訴は無効か(1)

 これも週刊朝日の10月22日号を使います。
小沢氏の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で問題なのは、小沢氏はいったい何をしたのか、そして、それは処罰に値する犯罪なのかと問うています。

 検審が指摘する小沢氏の疑惑は、要するに、「陸山会」が04年10月に約3億5千万円で土地を購入したのに、04年分ではなく05年分の政治資金収支報告書に、同年一月支出したとして記載したというものです。土地取得と代金支払いの時期が2カ月ずれていたという、たったそれだけの「記載ミス」であると書いています。たしかに年度を跨いでいますので、月を言わずに年だけをいうとこのようにおかしないい方になりますが、こういうことはよくあることでしょう。特に正月を挟んでいるのです。

 小沢氏は、“実行犯”としてすでに政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で起訴されている石川知裕・衆院議員(37)らと共謀して、収支報告書に虚偽記入させたという「共犯者」としての疑いを持たれています。ここでも週刊朝日は、「しかし、一般庶民である我々の常識と、よく照らし合わせてみてほしい。たとえば、自分がマンションなどを買うとき、登記をいつにするか。土地取引がいつの時点で確定するか、必ずしも明確でないだろう。しかも、今回の議決書で小沢氏や石川議員らの関係は、何とも意味深な表現でその“悪質さ”が強調されている。

 土地取得と代金支払の時期がずれているのは、〈土地取得の経緯や資金についてマスコミなどに追求されないようにするための偽装工作〉であり、〈被疑者(小沢氏)とB(石川氏)、A(大久保隆規・元公設第1秘書)、C(池田光智・元私設秘書)の間には強い上下関係があり、被害者に無断でB、A、Cが隠蔽工作をする必要も理由もない〉というのだ」とも書いています。

 これについて、神戸学院大学法科大学院の上脇之教授(52)は、次のように語っています。
「なんて感情的な議決書だろうと驚きました。何の直接証拠もないのに起訴すべきと判断し、その理由について、『国民は裁判所によってほんとうに無罪なのか、有罪なのかを判断してもらう権利がある』とある。こんなことがまかり通れば、有罪を立証できる確証がなくても、なんだか怪しそうな人はとりあえず、裁判の場に引っ張り出せということになってしまいます」。

 現在の検察が、起訴する場合は、99.999%以上の確率で有罪になっています。したがって、検察に起訴された場合は、観念して、議員辞職をしろ、ということになります。しかし、今回の検察審議会のやり方は、乱暴で、怪しいと思うから、起訴して、判断は裁判所に任せるというわけです。この判断を任される裁判所もたまったものではありません。本職の検察庁から出たものは、起訴できないとしたものです。これを検察は素人の弁護士3人が、検事役をやるわけです。少し、テレビの見過ぎではないかと尋ねたくなります。(明日に続く)

0 件のコメント: