2010年10月8日金曜日

ビタミンCの効用(2)

 今回も生田哲氏の話です。
「超高濃度ビタミンCは、選択的にがん細胞を殺す」という刺激的なタイトルの論文が発表され、眼が針付けとなりました。

 点滴によって超高濃度のビタミンCを摂取すると、過酸化水素という毒が発生します。この毒をがん組織に運ぶことによって、正常細胞にダメージを与えることなく、がん細胞だけを殺すというのです。

 ヒトの悪性リンパ腫は、血中ビタミンC1ミリモル濃度(溶液1リットル中の溶質のモル数)で死んだが、乳がんは種類により5、10、20ミリモル以下で死んだ。しかし、同じ乳がん細胞でも、歴然として個人差があり、ビタミンCは抗癌剤として10倍から20倍の違いが出ることがわかりました。マウスのがん細胞はどれも15ミリモル以下で死にました。

 血中ビタミンC濃度が20ミリモルに達すると、ヒトでもマウスでも試験を行ったすべてのがん細胞が死にましたが、ヒトの正常細胞はまったくダメージを受けませんでした。
「ビタミンCはがん細胞を選択的に殺す魔法の弾丸である」ことが証明されたわけです。
ポーリング博士とキャメロン医師は、毎日10グラムのビタミンCをがん患者に投与することによって、ある種のがんに対して抑制延命効果があるばかりか、患者のQOL(生活の質)が改善することを発見しました。

 生存曲線はあまりにも違いがありました。500日目の時点で対照群の1000人全員が死んだが、ビタミンC群は11パーセントが生存していました。ビタミンC摂取群の生存日数は、対照群より4.2倍も長いという結果が出ました。

 カゼの症状があらわれた1日目に250~500ミリグラムのビタミンCを点滴すると、症状がすぐに消えることも観察していました。ビタミンCは、どのカゼ薬よりはるかに効果的で大量に投与しても深刻な副作用は見られませんでした。

 ポーリング博士は1970年に、「ビタミンCとカゼ」という書物を発表しました。
同書はベストセラーとなり、世界中で大騒ぎになりました。
ビタミンCの点滴によって達成される超高濃度ビタミンCが、正常細胞を殺すことなく、がん細胞だけを殺すことは先に述べました。このときのビタミンCの濃度は20ミリモルレベルでした。しかし、経口摂取では、これより2桁も少ない0.2ミリモルにしかなりません。

 もしビタミンCを今の100倍摂り入れれば、人生のQOLが革命的に上がるのです。具体的には1回1グラムを1日に3回摂取して免疫力を高め、病気を予防し、カゼのひきはじめに30分ごとに1グラムを8回摂取するとよいといいます。ビタミンCはサプリメントとしては格安の部類に入ります。一つ騙されたと思って、試してみても損はないと思われると生田氏は語っています。ガンにも効くとなるとこれは凄いですね。

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