2009年10月29日木曜日
弥生時代の水田遺構
先日、奈良県御所市玉手地区の高速道路の予定地域で、縄文時代から、弥生時代の前期、中期、後期の水田遺構が発掘されました。こういうこともないと、発掘されません。写真の中で、石灰で白く引かれた線は、1枚の田を表します。わずかでも傾斜があると水が張れませんので、田の大きさが小さくなります。後期になれば、これが大きくなっていきます。興味深かったのは、水田に残る無数の足跡です。白くなっているのは、足跡に洪水の時の砂が入ってためです。型をとると足の大きさは、26~26.5cmのものもあったようです。身長160センチ程度と推測されています。こどもの足跡も無数にあって微笑ましく思います。これから苗を植える田で遊びまわっていたのでしょう。中には、泥鰌や田螺をとっていたのかも分かりません。豊かな風景が想像できます。近くには、竪穴式と思われる住居跡もあります。また、土器なども完全な形で残っているものもあります。洪水の被害を何度か受けたのでしょう。土器や家財道具も持ち出せず、身ひとつで、高台に逃げたことでしょう。おそらく弥生時代には、こういう生活が日本の多くで営まれていたことと推測します。この地区から、葛城山にかけては、のちに葛城氏が勢力を張ったところです。豊富な農作物を元に葛城王朝を作ったのかも分かりません。これからは、こういう現地説明会には、出来るだけ参加したいと思います。
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