少し古い話題になりますが、東京が2016年のオリンピック招致に敗れました。1988年では、名古屋がソウルに負け、2008年では、大阪が北京に負けました。日本は、これで3連敗です。2007年9月14日の1次選考では、名乗りを挙げた7都市で1位通過でした。1次選考でバクー(アゼルバイジャン)、ドーハ(カタール)、プラハ(チェコ)が落ち、東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの4都市が残り、今回の決選投票です。
1回目の投票では、マドリード(28票)、リオ(26票)、東京(22票)、シカゴ(18票)の順で、下馬評どおり、サマランチ前会長も支援し、マドリードが1位通過をしました。下馬評では、日本は最下位でしたが、フタを開けると、シカゴが最下位でした。オバマ大統領夫妻が来て、これです。次いで、2回目の投票では、リオ(46票)、マドリード(29票)、東京(20票)で、マドリードは、1回目から1票しか増えませんでした。リオとマドリードの決選投票になり、リオ(66票)、マドリード(32票)と圧倒的に差をつけました。不思議に思うのは、1回目の投票総数は94票、2回目が95票、3回目が98票と3回目は、1回目よりも4票増えています。なぜでしょう。たしかIOC委員は100何人かいたはずです。東京は、2回目では2票減らしています。シカゴに投票した人の半分を東京に引き込んでいたら、決勝に出ることが出来ていました。コペンハーゲンに行った役員は、何をやっていたのでしょう。最下位にならずに3位になったことで、「これで東京に帰れる」と胸をなで下ろしていたのでしょうか。どうも国際舞台での活動に難があります。
石原都知事は、プレゼンテーションは東京が一番良かったと自画自賛していましたが、プレゼンテーションの評価は、東京は「質が高い」ですが、シカゴは「詳細で質が高い」、リオは「詳細で非常に質が高い」です。マドリードは「まずまず」で、ここでも日本は、3位でした。また、市民の支持率は東京55.5%で最低でした。シカゴ67.3%、リオ84.5%、マドリードは84.9%でした。都民も今さら、オリンピックという感じで、関心も乏しかったのでしょう。わたしも見たいと思いますが、東京では、無理だと思います。
今回の落ちた理由を花田紀凱氏(WiLL編集長)は、民主党のせいだと書いています。産経新聞も同じような調子です。花田氏は、「オリンピックなんてのはスポーツ界最大のお祭り、チャンスがあるなら国を挙げて協力すりゃいいのだ」と書いています。この招致活動に税金がどれだけかかっているのか、分かっていないらしいのです。こういう人が、ジャーナリストというのも困ったものです。石原知事などは、大阪が負けた時に、鼻で笑ったものです。東京が立候補していれば、こんな無様なことにならない、と。また、開催を福岡と争ったときも、東京が当たり前と、傲岸不遜な態度でした。今回の東京落選を大阪や福岡の首長は、これ見たことかという発言はしませんでした。立候補で、福岡に負けていて、福岡が落選していれば、石原知事はどう吠えたでしょう。
石原知事は、IOCでの選定の後の記者会見で、「舞台裏で取引があったために招致に失敗した」と発言をしたことが、リオデジャネイロの招致委員会は、5日、石原知事を名指しで批判し、IOCに正式抗議すると発表しています。4日には、石原知事は、「例えば、ブラジル大統領はかなり思い切った約束をアフリカの(IOC委員)諸君にしたようです。それから、フランスのサルコジ大統領が、戦闘機を買ってくれるならブラジルに入れると言ったとかね。こんなのも手続きの上では違反ではないと言うね」とも放言したようです。(10月8日日刊ゲンダイ)。
次回は、オリンピックの招致の費用などについて書きたいと思います。
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