2010年5月7日金曜日

人間の体は浮気、不倫を前提に作られている(4)

4日目です。
証拠その4 「精子数の調整」
「精子戦争仮説」に基づいて多くの学者がいくつもの論文を発表していますが、実験結果を全部提示していると全体像が見えなくなってしまうので、ここではそれらを要約したものを記します。
 アツアツの恋愛関係にある男女が、同棲している場合と遠距離恋愛をしている場合の2つを考えましょう。条件的には浮気をする可能性は後者の方が断然高いようです。
 浮気して相手に分かってしまう危険性は、一緒に住んでいる方が、別れ別れになっているよりはるかに高いわけです。
 遠距離恋愛の男性の体は、自然と浮気の危険性を察知します。まず心理的に、彼女の魅力を過大評価するバブル傾向になります。次に、ほかの男も彼女を魅力的に感じているに違いない、さらにはもしかすると浮気をしているかもしれない、と思うようになります。一種の被害妄想です。
 可能性としては、すでに他の男の精子が彼女の子宮内にいる可能性もあります。他人の精子を急いでかき出さなくては、妊娠してしまうかもしれません。そして最悪の場合、その子供を自分が知らずに育てることになるかもしれわけです。
 このような妄想と浮気の危険性を察知した男の生殖機能が、久しぶりに再会した時にどう反応するかといえば、会うや否や激しくお互いの体を求め合います。放出する精子の数は離れていた時間に比例して多いとの実験結果があります。つまり、一緒に住んでいる場合と遠距離の場合では、遠距離の場合の方が放出される精子の数がずっと多いということです。
 精子戦争の見地からは当然のことで、精子数が多ければ多いほど兵隊数が多いということですので、それだけ膣内にいるほかの男の精子を撃退することができるからです。さらにセックスの仕方も違ってきます。
 遠距離恋愛の男女では、一緒に住んでいる場合より、(1)ペニスが奥まで挿入され、(2)スラストの回数も多く、(3)スラストの速度も速く、(4)性交時間も長い、ということが分かりました。
 ペニスが奥まで挿入されるのは、奥まで入れた方が奥にある他人の精子をかき出すことができるということですし、スラストの回数が多く早いというのは、その分、より多くかき出せるということです。性交時間も長ければ長いほど有効です。
 もちろん、遠距離恋愛をする男女は、このような精子戦争の理論を意識しているわけではありません。無意識に相手の体を求め合った結果です。重要な点は激しく求めるというその精神構造にあります。
 遠距離恋愛だからといって、精子の数が増える必要もありませんし、ペニスが奥まで届く必要もないし、スラストの回数も多くならなくてもいいわけです。しかし実際には、遠距離恋愛の2人が久し振りに会うと、お互いを激しく求めるようです。恋愛の深さによるものと思いがちですが、実は意識の裏では、激しい精子戦争を体験した遺伝子に突き動かされて相手を求め合っているのです。
 ちなみに、ダブルメイティング(複数の同時進行浮気)の時、どちらの精子の方が受精しやすいかと言えば、2人目(あるいは3人以上の場合には最後の男性)の精子の方が卵子に到達しやすいと言われています。
 子宮の中は精子がたどりづらい仕組みになっているので、最初の男性のエッグゲッターの多くは途中で死んでしまいます。その点2人目は、最初の性交者の精子が開拓して道筋を作ってくれているので、より多くの精子がたどり着けるということになります。
 扉が開いて卵子が出てきた時には、数の上で勝る2人目の精子が最終的には勝利する確率が高いのです。ですから、遠距離恋愛の男性は、条件的には妊娠させる確率が高いということになりますが、その女性が彼と再び別れた後に別の男性とセックスした場合には、その男性との方が妊娠しやすいということになります。

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