2010年5月5日水曜日

人間の体は浮気、不倫を前提に作られている(2)

 昨日に続いて、標記について森川氏の説を述べます。
証拠その2 「睾丸の大きさ」
 睾丸の主要な機能は、精子の生産ですが、そこにも男女が浮気性のために淘汰圧がかかっています。人間の睾丸の大きさをほかの哺乳類の睾丸と比較してみますと、その大きさは、大きくもなく小さくもないと言えます。たとえば、ゴリラとチンパンジーの睾丸とを比較します。
 ゴリラ社会は一夫多妻のハーレム社会ですが、オス同士でメスを巡る激しい闘争があって、それに勝ったゴリラが独占するという形になっているため、体格に対して淘汰圧がかかっていますが、勝者はメスを独占することができます。
 一部の強いゴリラが独占をした後は、負けたゴリラはメスを横取りしようとしないので、精子間の戦いは起こりません。そのために身体(体重は170キロ程度)の割にはゴリラの睾丸は小さく、体重の0.02%、睾丸2つで約30グラムです。ペニスの長さは2.5センチと体に埋没するくらいの大きさです。
 他方、チンパンジーはゴリラの約100倍も性行為を行います。発情期になると、メスも次々にオスと交尾します。このような乱交状態では、オスが自分の子供を産ませるには、たくさんの精子が入り交じった子宮の中で、他の精子をやっつけて自分が勝利しなければなりません。
 体内で複数の精子が交じり合い戦う「精子戦争」の状態では、精子の数(兵士数)が勝つための絶対条件になります。そのため、チンパンジーの精子を生産する睾丸は体重(47キロ程度)の割にはたいへん大きく、2つで120グラムと全体重の0.3%、ペニスの長さも8センチもあります。
 人間の睾丸はといいますと、上記のゴリラとチンパンジーの間に位置しています。重さは40~50グラムで、全体重に対する割合は0.08%です。
 哺乳類の中では、人間は、ゴリラのような一夫多妻制を取っている動物とチンパンジーのような一夫多妻制の乱婚型を取っている動物の中間にあり、睾丸の大きさが、「ゴリラ以上、チンパンジー以下」ということは、私たち人間があたり構わず「乱交」しているというわけではないにしても、一夫一婦制を完璧に踏襲する構造にもなっていないということです。
 つまりチンパンジーほどではないにしても、私たちの先祖は、ある程度の複数の異性と性的な関係を、同時かつ頻繁に持ってきたということです。もし人間が完全なる一夫一婦制を持っていたら、男性の睾丸はもっともっと小さくなっていたことでしょう。
 ウッズは、ゴリラよりもチンパンジーに似ているのでしょう。よく見れば、チンパンジーに似ているようです。

0 件のコメント: