未来党の分裂と民主党の今後

日本未来の党(未来)の嘉田由紀子代表(滋賀県知事)は24日夜、東京都内の党本部で開いた両院議員総会で、自身と社民党政審会長を務めた阿部知子氏を共同代表とする人事を提案しました。しかし、小沢一郎元民主党代表に近い「国民の生活が第一」(生活)出身の議員が反発し、小沢氏を共同代表とするよう要求しました。総会は3時間にわたって行なわれましたが平行線に終わったということのようです。

嘉田氏は両院総会で「人事権は私にある。提案を受け入れてほしい」と要請しました。また、小沢氏と国民新党代表だった亀井静香氏を顧問、鈴木克昌衆院議員を幹事長とする案を示しました。小沢氏は欠席しました。

出席者からは「嘉田氏が事前にマスコミの前で人事案をしゃべった」「政治力のある人が必要だ」などと嘉田氏の人事案への批判が相次いだといいます。

しかし嘉田氏側は、小沢を共同代表とする案について、「小沢氏と要職に起用しないことが、党を立ち上げるときからの約束だ」として拒否しました。

嘉田氏は特別国会召集の26日に行われる首相指名選挙で、阿部氏に投票することも求めていましたが、生活側は小沢氏に投票することも視野に入れているといいます。

衆院選の比例区名簿提出ドラブルから続く未来の醜態で、政党を維持するのは難しい状態になりつつあります。嘉田氏は、原発反対でも主張がぶれ、比例区の名簿提出でも、選挙史上初の締め切り後に名簿を提出するなど、到底、国政に関係する党運営が出来るとは思えません。

今回の衆院選挙にあたっても、小沢氏は、自らが持つマンションを売って、資金の捻出をしたと聞いています。「金を出しても、口出すな」では、政治の世界は渡れないでしょう。今回の選挙は、準備不足だったのでしょうが、小沢氏は未来などは、早く出て、亀井氏、河村氏、鈴木宗男氏などと組んで、オリーブの木構想を固めたほうが余程いいと思います。

嘉田氏が共同代表として押した阿部知子氏は代表としての魅力に欠けます。

さて、一方、民主党は新代表に海江田万里氏がなりましたが、新代表に課せられるのは、来年夏の参院選での巻き返しです。しかし、「参院のドン」である輿石氏の影響からは離れられません。民主党の国会議員145人は衆院57人、参院88人となっており、輿石氏の影響力が増しています。輿石氏周辺は「海江田氏が新代表になれば、小沢氏と協力していく」と語る人もおり、未来との連携を視野に入れているようです。

小沢氏と嘉田氏は、早晩別れるでしょう。