2012年5月30日水曜日

香港が越境出産拒否へ

香港政府が中国本土の妊婦による「越境出産」の受け入れを来年からゼロにする新たな政策を決めました。香港で出生した子供は、高い教育水準や福祉制度がある香港の永住権を取得できるため、福裕層を中心に中国本土から妊婦が殺到しています。そのあおりで出産費用が高騰したり地元妊婦が産科の空きベッド待ちを強いられたりするなど、香港で社会問題化していました。

不法滞在している中国人妊婦が救急外来に駆け込むケースも多く、香港では年内の駆け込み越境出産の急増が警戒されています。

超境妊婦受け入れゼロ化は、両親ともに永住権のないケースが対象で、父母のどちらかが永住権をもつ場合には出産を認めます。

今年は31千件の超境出産を認めていた香港の私立病院が、受け入れ枠を来年からゼロにすると表明しました。

超境妊婦は中国本土の福裕層が多く、その大半は私立病院が収益増を狙って受け入れてきました。しかし、「香港と無縁の中国本土の夫婦がカネを積んで永住権を得た子供が香港の市民と同じ公共サービスを受けられるのはおかしい」などと不満が高まり、過去には香港で抗議デモが起きたこともあります。

「中国本土からの妊婦受け入れゼロ」に82%の香港人が賛成しています。
香港の最高裁に当たる終審法院は01年、両親とも永住権を持たなくとも、香港で生まれれば永住権取得の権利があるとの判断を下しており、今回の決定と矛盾します。
 「香港基本法」の解釈権をもつ中国政府に判断を求める意見もありますが、それでは香港の独立性を損なうことになり、好ましくないという意見もありますが、場合によっては、政治問題に発展する可能性もあります。

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