2009年6月16日火曜日

世界の失業者、今年2.39億人に

 国際労働期間(ILO)は、5月28日、2009年の世界の失業者が、前年に比べ、最大で5000万人増加し、2億3900万人になると予測しています。自動車産業などの人員削減を加え、従来の予測を修正しました。ILOは、世界規模の雇用維持策を協議するために6月中旬に「雇用サミット」を開催する予定です。しかし、この失業率には、寒気を覚えます。治安も悪くなるでしょう。
 最悪の予測では、世界の失業率は、前年比1.5%高い7.4%に上昇すると見られています。1991年以降、最悪の失業率です。先進国で、6.1%から9.0%。雇用状況の悪い旧ソ連圏では、9.2%から12.1%になる見通しです。
 ILOでは、自動車産業の失業によって、消費と生産をさらに押し下げかねないと指摘しています。各国政府や労使が雇用確保に向けて協調することが重要とも言っています。
 アメリカの失業率は、9.4%です。今回のGMの14工場の閉鎖などで職がなくなる人が大幅に増えますので、さらに悪化するでしょう。世界は、どういう方向に行くのでしょう。第1次世界大戦後の不況で高橋是清は、大幅な円安を進めました。その結果、輸出は伸びました。特に綿製品は伸びましたが、アメリカの棉業者、ひいてはアメリカを敵にしました。秩序のある輸出が必要であることは、分かりますが、相手の努力もないと、結局はアメリカの自動車産業のようになってしまいます。日本の農業もこれによく似ています。あまり守ろうとすると、強い産業は作れません。もう一度、産業はどうあるべきか、見直す時期に来ているようです。

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