![]() |
7日7晩泣き続けたといわれる申包胥 |
と、かつて伍子胥が言ったときに親友の申包胥は
「それなら、わたしは楚を興してみせる」と、答えた。
申包胥は、まっすぐに秦に行き、援軍を乞うた。
秦は断った。
申包胥は秦の宮殿の前の広場にて、7日7晩、泣き続けた。
飲まず食わずで泣き続けたのである。
伍子胥に負けぬ執念であった。
これには、秦の哀公も感動した。
哀公は大声で、『無衣』の詩を謡った。
きみと同じ服を着よう
いざ王が兵をおこすとき
われらは槍を磨き
きみと同じ敵に向かおう
という歌詞である。
これは秦の歌謡で『詩経』に収録されている。
――君と同じ敵に向かおう
ということで、援軍を引き受けたのである。
宮殿の塀越しに、この『無衣』の詩を聞くと、
申包胥は狂喜し、9回も頭を下げた。
秦は申包胥のために500乗の戦車を貸した。
1乗は馬4、士3、兵72、輜重25であるから、
馬2000頭
士卒3万7500人
輜重1万2500人という兵力を動員したのである。
申包胥はこの秦の援軍とともに、呉軍と戦った。
そして、稷(河南省)でこれを破った。
これまで、呉は楚と5度戦い5度勝った。
稷ではじめて負けたのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿