通貨の総合的な実力を示す実効レート(日経通貨インデックス、2008年=100)でみると、26日は円が100・5、ウォンが101・6。20日から5営業日連続で円がウォンを下回わりました。08年秋以来、続いていた対ウォンでの「円高」が解消した格好となっています。
これまで投資家のリスク回避姿勢によって、安全通貨とされる円は様々な通貨に対して上昇しました。ウォン安で輸出競争力が高まった韓国企業によって、自動車や家電メーカーなど日本の輸出企業が苦戦を強いられました。
対ウォンでの円高が解消した原因は日韓両方にあるといいます。日銀の大規模な金融緩和の長期化観測から為替市場で円は全面安となりました。韓国は1~10月の貿易黒字が前年比6割増え、「実需」面からウォンが買われやすい状況になっています。
韓国株は7月以降、外国人の買い越しが続いており、ウォンには投資資金も流れ込んでいます。
円がウォンより割安となり、日本の輸出企業は競争力を取り戻しつつあります。
半導体業界も息を吹き返し始めました。12年2月に会社更生法の適用を申請したDRAM大手、エルピーダメモリは今年3月からは営業黒字に転換、広島県の主力工場も高い稼働率を維持。エルピーダの破綻はウォン安と豊富な資金力で優位に立った韓国サムスン電子の攻勢が背景にありました。
サムスン電子など韓国を代表する企業は海外生産比率が高く、為替変動への耐性が強いので、簡単には、日本メーカー優位にはならないでしょう。
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