2008年10月5日日曜日

100兆円の時価総額消失

米下院が金融安定化法案を否決したことから、日本の1部上場企業の株式時価総額は、今年1月の時価総額から100億円も消失しました。約4分の1の価値が吹き飛んだことになります。わたしは、現在は、まったく株を持っていませんので被害を受けませんでしたが、多くの方が損害を被ったのではないでしょうか。国家予算以上のお金が吹き飛んでしまったのです。この損の詳細な内訳は出ていませんが、厚生年金の運用者は、気楽にこれらの投資証券に任せていたでしょうから、相当の損が出たはずです。しかし、どのメディアもこれには触れていません。

ところで、米政府と議会は、金融機関の不良資産を国が買い取る法案に合意していたのです。そして、朝刊が配達される直前に米下院が否決してしまいました。新聞を見た人は、どんでん返しに驚いたでしょう。この議会と政府の合意に逆らって否決した下院議員の多くが選挙を意識したためです。倒産、あるいはこれに近い金融機関のトップの給与たるや驚くべきものです。100億円をもらっている人もいますし、多くが数十億円をとっています。怪しげな投資をして一時儲かって、多額の損失を出すと、国に買い取ってくれでは、国民も納得しないだろうということを下院議員は恐れました。どこかの国でも同じことが起こりましたが、議会では、素通りでした。

アメリカでは、大統領選挙と同時に下院議員の選挙も行われます。ここは、大統領と距離をおいておかないと議席を失うという恐怖心が芽生えたのです。これが議員同士に伝染し、合意していたにもかかわらず、否決するというおよそありえない議決になりました。

 日銀短観でも5年ぶりのマイナスになりました。失業率のところにも書きましたが、昨年の秋から景気は下降状態に入っていたのです。そして、今回のサブプライムローンに続く投資証券の破綻です。おそるべき巨額倒産です。こういう巨額の投資証券は、認めるべきでないかも分かりません。今回のように狂うと、世界経済への影響は計り知れないものがあります。運用金額の制限や投資対象ほかの制約も必要でしょう。早く手を打たないと、また同じ悪夢を見ます。これから、大統領選挙もあり、アメリカがどう動くのか、目を離す事が出来ません。

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