2009年7月18日土曜日

フェリー各社の「死活問題」

 地方の高速道路を上限1000円にする大型割引で、経営が悪化している関西発着のフェリー会社8社のトップが、6月30日、記者会見を開き、「税金をつぎ込んだ高速道路との競争では企業努力も限界」と訴えました。出席したのは、関西汽船、四国開発フェリー、名門大洋フェリーなど8社です。この気持ちは、よく分かります。橋が架かるたびにフェリー会社の経営は苦しくなります。今回の場合は、もっと影響が大きいのでしょう。
 これらの会社は、瀬戸内海に航路をもつためにライバル関係にありますが、国が5000億円の税金を投入した高速道路の大幅割引が経営を直撃しており、競争原理が働かない異例の事例では、共同戦線を張る以外にはなかったようです。8社の航路便に乗船した乗用車は、4~6月で前年比2割減の7万7701台でした。旅客も2割減で45万3807人にとどまりました。お盆も高速1000円にすることが決まっていますので、お盆期間の予約は、前年の3割減になっています。
 もともと瀬戸内海航路は廃止・減便が相次いでおり、1隻70~80億円の巨額投資が必要で、一度撤退すると再就航は出来ないと語っています。フェリーは、淘汰される業界かも分かりませんが、選挙目当てか、気まぐれで、国からの圧迫で、これまで長く続けてきた事業を撤収するのは、納得できないでしょう。フェリー業界は、政治家にとって、旨みのない業種なのでしょう。しかし、この問題は、民主党が政権をとると、高速料金は無料にしますから、もっと影響は大きいのでしょうか。
 わたしなどは、高速道路がただになっても関西から郷里の福岡へは、フェリーを使います。

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