内モンゴルの酒の飲み方、食事について、少し触れておきましょう。まず、酒はなんといっても白酒です。地元の酒は、米、大麦、コーリャン、粟、その他いろいろの穀物から作られたものです。アルコール度は39度。500mlの透明のガラスの瓶に入っています。これを通常は、白酒用の小さなコップで呑みます。これは、中国のどの地域でもほぼ同じです。中国では、酒は手酌で飲むのは品のいい呑み方ではありません。呑みたくなれば、誰かと乾杯をせねばなりません。外から行った人は、相手を探す心配はなく、夜であろうと、昼であろうと、どんどん乾杯をさせられます。これが、北京、上海になると、そう強制はしませんが、フフホトあたりは、女性にも容赦なく乾杯を強います。このブログの内モンゴル(2)の写真の右下は、フフホトのホテル、左下は草原の包の中の風景ですが、この内モンゴルの歌姫が曲者です。彼女が持つ酒杯は、白酒用のコップの4杯分が入ります。1曲、草原の歌を歌姫が歌うと白いマフラーのようなものを相手の首に懸け、この酒杯を飲み干すことを強います。これは、チベットでも同じでした。右手の薬指をこの酒杯につけ、天に弾きます。次に、薬指をつけて、足元の地に弾きます。最後に自分の額に塗ります。そのあと、酒杯を呑み干さねばなりません。午後、打ち合わせが入っているので、セーブしたかったのですが、そういうことにも配慮することなく、周りがどんどん呑むことを勧めます。首には、白いマフラーが何本もかかります。酒の弱い人はとても行けません。2日目は、4人で2本(1000ml)空けました。さきほども書きましたが、歌姫に指名されると、女性も拒否できません。このあたりは、文化の遅れを感じます。
内モンゴルでの料理は、なんといっても羊がメインです。きゅうり、ネギが前菜で出ますが、ほとんど羊肉です。四川、北京のような火鍋はありません。わたしは、火鍋で食べる羊は嫌いではありませんが、単に湯を通しただけの羊の肉をたれにつけて食べるのは、好きになれませんでした。羊肉よりも高価なのが、鶏卵です。料理の仕方は、いわゆるスクランブルエッグでしたが、なかなかの美味でした。内モンゴルの人は、羊肉よりもたまごを多く食べているように見えました。結局、内モンゴルの郷土料理は、中華料理とはまったく異なり、羊を殺して、その肉を焼いたり、煮たりするものだけでした。油による炒め物などはないようです。草原で生きるのは、そういう簡素な食べ方しかできないのでしょう。もっともフフホトのホテルでは、広東料理が食べられました。広東料理での夕食会には、多くの人が集まってくれます。しかし、料理の高いこと。びっくりするくらいです。銀座の高級中華料理店も逃げ出すくらいの金額です。こういう席で、高いワインの栓を抜かれるとあっという間に予算オーバーです。1998年頃にPHSの普及のために中国各地を歩いたときに比べ、レストランの値段の上がり方には、驚きます。その割に中国人の平均給与は上がっていません。北京オリンピックで北京および北京周辺の物価は上がりました。五輪の終わりとともにすさまじいインフレが収束することを祈りたいものです。
フフホトは、北京からわずか400キロですが、大きな文化の差があるように思いました。
関連ブログ:内モンゴル(2)
http://yamaguchi-masumi.blogspot.com/2008/09/2.html
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