2008年9月11日木曜日

十五少年漂流記(3)

大統領には、一番年上で、冷静なゴードンが選ばれます。このあたりが面白いところです。ゴードンは、規則を決め、寄宿舎のような規則正しい生活をさせます。勉強の先生には5年生が交代でなります。島には小学校の名をとって、チェアマン島と名づけました。
 オークランドにいるときは、学校中で一番快活だったブリアンの弟のジャックがずっと引き籠ったままでした。それが、ジャックがツルギ号の艫綱をほどいたことが分かりました。これ以降、ブリアンとジャックの兄弟は、命がけの仕事を引き受けていきます。ブリアンは、危険なことは必ずほかの子ではなく、ジャックにさせます。ブリアンは、「みんなのために一生懸命に働こう。それが、お前の罪を償うことだ」「兄さん、僕を思い切り使ってください」と言います。涙を誘うところです。
 2年目に入り、新しい大統領を選びます。ゴードンとドノバンは棄権し、ブリアンはゴードンに入れます。その結果、ブリアン8票、ドノバン3票、ゴードン1票でブリアンが2期目の大統領に選ばれます。ブリアンが大統領に選ばれたのは、彼の勇気とすぐれた実行力が認められたからでした。
 冬の凍った湖上でドノバンら4人が狩猟に出かけます。夕方になっても戻って来なくなり、霧で見えなくなりました。誰が捜しに行くか、募ると当然のようにジャックが、スケートが得意だからといって名乗りを上げます。ジャックが、ラッパを片手に探しに行きます。結局は、ドノバンたちの行った方向とジャックが行った方向とは異なっており、捜すことは出来なかったのですが、大砲を10分間隔で打つことで、まずドノバンらが先に帰ってきます。皆が心配します。ジャックは、湖上の相当先まで捜しに行っていたために1時間以上も経って帰って来ます。このとき、ジャックのうしろには、クマが追いかけていました。ジャック以外の子であれば、スケートがうまくないために危なかったでしょう。みなは、歓声をあげてジャックを迎えます。ジャックは、ブリアンに「ありがとう、兄さん。僕にドノバンたちを捜しに行かせてくれて、ありがとう」ブリアンは何も言わずに、ジャックの手を握りしめました。
 冬が終わりに近づくにつれて、ドノバンとブリアンの間は、ますますうまくいかなくなり、ドノバンたち4人は、仲間から離れます。そして、東海岸に着くと、ボートが難破しているのを発見します。二人の水夫も打ち上げられていました。しかし、4人は怖くて、その場を離れます。翌日、確認にゆくと二人の水夫の姿はありませんでした。海にさらわれたのであろうと考えます。ところが、そうではなかったのです。次は、明日のブログで。

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