2013年2月10日日曜日

首長の国会議員兼職

  橋下徹大阪市長は1228日の定例記者会見で、衆院選期間中にほぼ登庁せず「公務軽視」と批判されたことについて、「選挙で市政の行く末が変わる。市長公務よりも選挙は重要」と反論しました。

橋下氏は、これまで市長公務と区別して「政務」と称してきた日本維新の会の代表代行としての活動を「政党公務」と定義しています。「民主主義では選挙により権力機構が作られ、その在り方で大阪市政の方向性が右に行くか、左に行くか大きく変わる」述べ、政党公務は行政を進める上で必要不可欠な活動であるとの認識を示しました。

橋下氏は1227日に開かれた関西広域連合の会合で首長と参院議員との兼職禁止規定撤廃への反対意見が出たことにも触れ「改革を実現するには(議員として)国会に乗り込むしかない。
広域連合はダメですね」と批判しました。


日本未来の党代表を兼務する嘉田由紀子滋賀県知事は、1220日、県議会本会議の一般質問で「県民や県議会からの意見を踏まえ、今後のことは改めて熟慮したい」と述べ、いずれかを辞任することも選択肢に含めて検討する考えを示した。(しかし、結局は、党代表を辞職し、滋賀県知事に専念することにしました)

これまでは「両方の職責を全うしたい」と兼務に強い意欲を示していました。

  首長と参院議員の兼職について「地方の声をより国政に反映できる上、参院の質も仕事の仕方も劇的に改善される。議員報酬削減への財政効果も高い」とメリットを列挙しました。

橋下氏は、法改正が実現すれば、幹事長の松井一郎大阪府知事とともに参院選に出る考えを示しました。これに同調し、中央集権打破を揚げる日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事も「(改正法案が提出されれば)共同行動をとることは十分にある)」としていました。

矢田立郎神戸市長は「首長の仕事はそんなに軽いものでない。市民や県民の負託を受けているトップが国政に出るなら、職を辞してからにすべきだ」と強く反対しています。門川大作京都市長も「24時間365日、市民の命と暮らしを守る市長の仕事はとても国政と兼ねられない」と語っています。

駒沢大学の大山礼子教授は、地方の声を届ける兼職のメリットを認めながらも、「仕事が中途半端になる上、権力が1人に集中してしまうなどデメリットの方がはるかに大きい」と指摘しました。

海外ではフランスや、ドイツ、スペイン、ベルギーなどで兼職が認められており、中でもフランスでは浸透しています。

 これに対して、一橋大の只野雅人教授によると、同国の国会は、地方議会との日程調整がしやすいように原則週3日間で曜日が固定され、採決での代理投票も容認している。一方、副市長の権限も強化されている。20057月時点で、国会議員計908人のうち、兼職議員は8割以上の750人に上っている。

歴史的背景や、兼職を可能にする仕組みが日本とフランスでは異なっており、法制度だけ切り取って導入するのは無理があるのでなはいかと指摘しています。

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