東北電力東通原子力発電所(青森県)の敷地内を走る破砕帯を活断層だとする見解が、原子力規制委員会の専門家調査団によって示されました。
東北電力は、これらの破砕帯に活動性はなく、活断層ではないとみなしてきただけに、両者の認識の隔たりは大きいと、昨年12月23日の産経新聞の「主張」が書いています。
本来なら12月20日の第一回評価会合に東北電力を参加させて議論を交わすべきでした。しかし、それをすることなく、活断層であるとの結果をまとめた上で、東北電力の反論を聞くというのは公平感に欠ける印象があります。
法律で高い独立性が保証されている規制委には、不断の自省が求められるはずです。
先に行われた日本原子力発電の敦賀原子力発電所での破砕帯調査も、1回限りの審議で活断層との断下した前例があります。規制委が加わる前には、学者が喧々諤々やっていたように思いますが、規制委はそういう討議をすることもなく、活断層とみなしました。
電力会社は、原発の敷地の地層に関して多くの調査データを保有しています。規制委にはそれを十分に検討し、活用してほしいと「主張」も書いています。
そもそも、規制委設置の目的は原子力発電の安全性向上に置かれていたはずです。「原子力利用における安全の確保」は、規制委の任務としても規定されています。
原発敷地内の破砕帯調査は、安全確保の手段の一つに位置づけられるもののはずです。しかし、最近の規制委の活動からは、調査した破砕帯を活断層と即断することがその目的と化しているかのごとき印象を受けてしまいます。
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