震災後、財務省主導の下で立ち上げられた東日本大震災復興構想会議は、復興増税を提唱しましたが、同時に復興予算をばらまく思惑もあったようです。
2011年5月10日の「復興構想7原則」の原則5で、「被災地域の復興なくして日本経済の再生はない。日本経済の再生なくして被災地域の真の復興はない。この認識に立ち、大震災からの復興と日本再生の同時進行を目指す」と書かれています。
当初から復興予算を被災地以外にばらまくつもりだったのです。
6月24日に成立した「東日本大震災復興基本法」の第2条(基本理念)の中に、「単なる災害復旧にとどまらない活力ある日本の再生を視野に入れた抜本的な対策」という文言があります。
これらを受けた7月29日の政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」では、「被災地域の復興は、活力ある日本の再生の先導的役割を担うものであり、日本経済の再生なくして被災地域の真の復興はないとの認識を共有する」とされています。被災地の復興だけではなく、「日本の再生」というバラマキに都合のいい言葉が盛り込まれているわけです。
昨年の3次補正では、東日本大震災関係経費が11兆7335億円ですが、そのうち全国防災対策費5752億円と、その他の東日本大震災関係経費2兆4631億円の中身をみれば、全国各地の防災対策、産業空洞化対策など、震災や被災地と関係のないものがほとんどです。
復興以外にもばらまくために、「日本再生」と入れたわけです。官僚主導の復興構想会議の段階
潜り込ませるのは官僚の常套手段ですが、情けないのは政治家だと高橋洋一氏は言います。
東日本大震災復興基本法案は、民主、自民、公明の増税トリオで作られました。そこにも「日本の再生」が入っているので、官僚は政治が決めたという免罪符を手にいれたわけです。まったくのシロアリ条項です。良識ある官僚はいないのでしょうか。
その結果、復興予算の流用問題は、国会で審議しにくい状態になっています。衆院決算行政監視委員会は、一応自民が呼びかけていますが、民主党は欠席戦術です。国会議員の歳費は返納してもらいたいものです。
マスコミも復興増税には賛成したので、あまり胸を張れないはずですが、実際の補正予算の中に、震災や被災地とは関係ない予算経費が満載で、当分の間ネタ不足にならないので、過去を忘れて熱心に取り上げています。
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