2012年9月9日日曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(9)


前日からの続きです。原田氏は、仮設住宅そのものが、高コストの支援策であると述べています。

仮設住宅という高コスト支援策
「仮設住宅も高コストの支援策である。そのコストは、寒冷・豪雪地仕様だと撤去費用も含めて500万円かかる。阪神淡路大震災時での仮設住宅のコストは203.4万円であった。しかし、中越地震で、その仕様で建てたところ、断然材もなく、雪によって雨漏りがし、居住者は大変な苦労をした。そうならないように建てると500万円かかる。仮設住宅は住めるのは2年間だから、月に20万円以上の支援を被災家族にしている訳だ。

待望されていた仮設住宅だが、入居率は岩手が72%、宮城が61%、福島が60%である。市町村単位でみると3割台のところもある。
 これは、仮設住宅が通勤・通学に不便なところにあることと、賃貸住宅への補助金が出ていることが理由だ。

不便なところにある仮説住宅は人気がないにもかかわらず、宮城県では、仮設住宅を退去した被災者のために、1.2万戸の被災公営住宅を整備するという。岩手県でも、同じ事業を県の予算に盛り込むことを検討している。災害公営住宅も、人気のない仮設住宅の二の舞になるのではないか」
当然ともいえる指摘です。

「避難所に行って、仮設住宅に行って、被災公営住宅に行くといくらかかるのだろうか。
京都大学の高田光雄教授によると、阪神淡路大震災の場合、仮設住宅に360万円、災害公営住宅の建設費に1500万円以上かかり、その他の費用も合わせると両者で2000万円かかり、さらに公営住宅用地の取得費も入れると全部で3000万円以上かかるという。

しかし、自立できる人には仮設住宅の500万円、後述の被災者生活再建支援金の300万円と合わせて800万円の住宅頭金を援助した方がずっと安上がりではないか」
 と、原田氏は指摘していますが、そのとおりだと思います。なぜ、もう少し考えなかったのでしょうか?

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