2012年9月17日月曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(14)


昨日からの続きです。
自治体の望む「復興」
「国に対して、各自治体は、どのような復旧を計画しているのだろうか。各自治体は、まず復旧、そして恒久的な地域の発展を望んでいるだろう。

高台移転は高コスト
どの県の計画でも災害に強いまちづくりが謳われ、住民の高台移転が計画されている。高台移転とは、高台を造り、住民を移転させる計画だ。しかし、三陸の急峻な山を何百メートルも切り崩して盛り土するのは大変な工事である。

三陸の住宅地の地価は、坪5万円以下である。畑や田圃を宅地にすれば、さらに安くすむ。しかも、人口は減少している。新たに高台の住宅地を造るなど、とうてい見合わない投資である。

宮城県は610日に、住宅の高台移転など復興まちづくりを進めた場合のコストを政令市の仙台市、高台移転の計画がない利府町、松島町を除く沿岸75町を対象に試算している。
それによると、高台移転は772ヘクタール、13900戸が対象で、総事業費は4250億円になるという。
4250億円を1.39万戸で割ると、一戸当たり3058万円となる。4250億円を772ヘクタールで割ると、1平方メートル当たり5.5万円になる(*坪単価にすると18.15万円である)。772ヘクタールを1.39万戸で割ると、一戸当たり555平方メートルになる。一戸555平方メートルとは168坪の敷地(むちろん、道路や公園用地などで3割以上の土地を確保する必要があるので、一戸当たりの敷地は100坪程度となる)ということになる。これほどの巨額のコストをかける必要があるのだろうか。

しかも、そのようにして造られた土地に、人々が住むかどうか分らない」
ここが大事なところで、国がすべてを出してくれると思っているかもしれませんが、大きな間違いで、かならずその付けは、そこに住む住民に来ます。神戸淡路大震災のときの長田地区のように人が住まないところがほとんどになっています。高過ぎて住めないのです。コスト意識が復興には不可欠のように思います。

0 件のコメント: