日本は一昨年、GDPで中国に抜かれてしまったが、国土が狭く資源に乏しい国として世界第3位は立派な成績です。
今年4月時点の国際通貨基金(IMF)データを見ると、日本のGDPは5.9兆㌦でした。1位の米国15兆㌦や、2位の中国7.3兆㌦には届かないまでも、4位のドイツは3.6兆㌦なので、当分は抜かれる心配はなさそうです。韓国は、世界第15位の1.1兆㌦なので、日本の5分の1に過ぎません。
ストックたる「富」はどうでしょうか。
先月、「リオ+20」会議で国連環境計画(UNEP)が発表した「包括富レポート2012」は、この難しい計算に取り込んでいます。世界20ヶ国を対象に、それぞれが保有する富を「物的資産」(機械や建物やインフラなど)、「人的資産」(人々の教育数準や技術)、「天然資産」(土地、森林、天然資源など)に分けて計算したものです。
この尺度でいくと、日本は米国に次いで世界第2位の資産国となっています。「年収」で中国に抜かれたとはいえ、「富」を比較すると日本は中国の2.8倍もあるわけです。
人口1人当たりの富は、日本が堂々の世界第1位でした。
「わが国の資源は勤勉で教育水準の高い人材だけ」という、長年の自己認識通りの結果である。
調査された20カ国のうち、1990年から2008年まで間に「天然資産」が減少していないのは日本だけでした。「環境のきれいな先進国」であるというわけです。事実、この期間中にわが国の森林面積は増えています。
「経済の金メダル」を競う統計として、「国際競争力調査」があります。世界経済フォーラム(WEF)と、経済開発国際研究所(IMD)という2つの機関によるものが知られています。
この調査の元データは、世界各地の企業経営者に対するアンケートであるから、吉崎氏は、この調査をあまり信用していないそうです。
日本の失業率は4.4%であり、消費者物価上昇率の0.2%と足し合わせた4.6%は、世界の主要国では最も低い水準です。先進国はどこでも二桁が当たり前だし、ユーロ圏には失業率だけで10%以上という国が少なくない。日本の「悲惨度指数」は健闘しているといえると、もう少し胸を張ってもよさそうです。。
0 件のコメント:
コメントを投稿