前日からの続きです。
「個別の損害額が大きすぎるのは自動車も同じである。まず、被災した自動車を32.55万台と推計した後、一台あたりを300万円とし、300万円×32.55万台で0.98兆円と推計している。32.55万台のうちのトラックと乗用車の比率は約2:7である。中古の大型トラックなら300万円するだろうが、トラックには軽も含まれている。被災地域の中古の自動車が一台平均300万円とはいくらなんでも大きすぎる。
民間企業資本ストック額の謎
内閣府の統計「国民経済計算」統計(GDP統計の詳しいもの)の中に、民間企業資本ストックという統計がある。これによると、2011年4-6月期の民間企業ストックは1237兆7661億円である。
ところが、2009年末の日本全体の民間と公的の土地などを除くすべての有形資産は1237兆3630億円である。兆の単位で同じであるのは、単なる偶然である。民間・公的別の資産・負債残高では、民間の資産は812兆円、公的資産が426兆円である。しかも、この民間資産には工場やオフィスや店舗に加えて住宅も含まれている。なぜ、「民間・公的別の資産・負債残高」統計の民間資産が住宅も含んで812兆円でしかないのに、民間企業資本ストック統計では民間企業資本ストックだけで1237兆円もあるのだろうか。
資産・負債残高統計では、物的資産は減価償却をしている。すなわち、すべての資産はその耐用年数に従って毎年一定の割合で価値が減少していくと考えて資産の額を推計している。ところが、民間企業資本ストック統計では、すべての物的資産はその価値が下落せず、その資産を除却したときに価値がゼロになると仮定して資本ストックの額を推計している」。
まったく原田氏の指摘には。理論的に矛盾がありません。こういうときに思うのは、何々研究所が出したものは、正しいという風に慣れさせられています。ところが、正しいどころか、原田氏の指摘のようにまさに杜撰極まりないことが分ります。
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