2012年9月29日土曜日

日銀、財務省の無為無策で日本の惨敗


産経新聞の編集委員である田村秀男氏が、日本銀行、財務省の無為無策を追及しています。
日本の株価は、韓国ウオンの対円安とともに下に押し下げられる一方で、韓国株の方は逆に大きく舞い上がっています。
株式市場こそは、その国の資本主義のエンジンというわけです。

株価、通貨ともリーマン・ショック(2008915)前の8月を100とする指数に置き換えました。
リーマン後、ウオンは円に対して暴落しました。最近でもリーマン前に比べ円に対して約35%安くなっています。日本株はリーマン時にはウオンの下落速度とピッタリ同調して急落しました。ウオン安に振れるたびにウオンの下落幅以上に日本株が下方に落ち込む傾向が読みとれます。

多くの製品で日韓間の品質の差がつかない状態です。残る国際競争条件の差異は価格に絞られています。円とウオンの交換レートが決定要因になると世界の投資家の多数が受け止め、日本株売りに偏っています。
11年秋からは、ユーロ危機の深刻化に伴って、欧州の金融機関が資金不足を穴埋めするために、韓国を含む新興国市場から一斉に資金を引き揚げた結果、ウオン相場が急落しました。
円高、ウオン安でソニー株が売られると、サムソン株が買われるばかりか、日本の株式市場全体が沈みました。

真の問題は日本の当局の無為無策であると田村氏は指弾しています。財務省は円高と表裏の関係にあるデフレ容認路線で、野田佳彦政権は消費増税がデフレと円高を招くことに無頓着です。日銀は為替市場問題を財務省の専管事項とみなし、欧米のような量的緩和政策に背を向け、円高の進行を放置しています。この結果、欧州で行き場を失った余剰資金は、日本株には目も向けず、増税の裏づけのある日本国債をひたすら買い、円相場を押し上げ、株価を下げるという悪循環を続けています。政策を転換しない限り、日本は韓国には勝てそうにないと田村氏は、悲観的です。

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