2013年7月12日金曜日

拉致家族を戻すべきだったかどうか?

  安倍晋三首相と細野豪志民主党幹事長のフェイスブック(FB)でのバトルは面白かったようです。自民党の幹部は、冷や冷やだったでしょうが、ひょっとすると麻生副首相などは、炎上するのを期待していたかも分りませんが。ジャーナリストの高野孟氏などは、「何がおもしろいって、安倍の論争術のトホホなレベル、その背景となる頭の構造が透けて見えたことである」と6月20日の日刊ゲンダイに書いています。高野孟氏は、同じジャーナリストでも花田紀凱氏のように色眼鏡を介さずによく見ているひとだと思います。小沢一郎氏に対する批評などももっとも公平かつ正しいと思ってみています。

田中均・元外務省アジア大洋州局長が、毎日新聞612日付のインタビューで、安倍政権の歴史認識などをめぐる右傾化ぶりが国際社会で「日本が自己中心的な偏狭なナショナリズムによって動く国だというレッテルを貼られかねない状況が出て来ている」と、正面切って批判しました。

安倍は即座に自身のFBで、その批判にはまったく答えることなく、0210月に拉致被害者5人が“一時帰国”した後に、「返すべきだ」と主張した田中に対して自分は「日本に残すべきだ」と主張して対立したというエピソードを持ち出し、正しかったのは自分で、田中は「外交官として決定的な判断ミス」をしたのだから「彼に外交を語る資格はない」と断じました。

高野氏は、「02年の安倍・田中論争では、田中のほうが正しかった。安倍が後先を考えずに“一時帰国”の約束を破ったことで、その後10年以上にわたって日朝対話は断絶し、それが6カ国協議を停滞させる一因となったことに米中韓も不快感を抱いている。これについて安倍は田中と正々堂々と公開討論をしてもらいたいものだ」と書いています。これは、そのとおりで、二人だけでなくちゃんとした司会役をつけてやってほしいものです。しかも早く、LIVEで、参院の投票日の前までに。

最近のテレビ局は、少しおかしいようです。先にもTBSは自民党からクレームをつけられると、すぐに謝罪しています。こういう脆弱なテレビ局が、権力に利用されると、もう利用されかかっていますが、大変なことになります。太平洋戦争に突入させたのも当時のメディアです。凛とした人に出て欲しいものです。

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