2013年7月2日火曜日

中国の威圧的行動に非難決議案を上院に提出

 中国が東シナ海や南シナ海で繰り返す威圧的な行動が周辺地域の「緊張を高めている」として、米上院外交委のメネンデス委員長(民主党)やルビオ上院議員(共和党)ら超党派3議員が6月13日までに、同院に非難決議案を提出しました。

オバマ大統領が米中首脳会談で、習近平国家主席に対し「同盟国である日本が中国から脅迫されることを、われわれは絶対に受け入れない」と、強い口調で警告していたこともわかりました。

この議案の提出には、米議会としてオバマ大統領の対中姿勢を後押しする狙いもあります。米上院は2011年にも南シナ海問題で、中国非難決議を全会一致で採択しており、今回も可決される可能性が高いと見られています。

軍事挑発の具体例として、決議案では、今年1月の中国海軍艦艇による日本の海上自衛艦へのレーダー照射や、4月の中国公船8隻による沖縄県・尖閣諸島の周辺領海への侵入、ベトナム調査船の探査ケーブル切断、フィリピンと領有権を争うスカボロー礁の封鎖―などを例示しました。

オバマ大統領が、「中国側は、日本が米国の同盟国であることを認識する必要がある」「米国は、日本と日本の民主主義を完全に信頼している」といい、習首席に「戦略的自制が必要だ」と求めたことが明らかになっています。

これに対し、習首席は「これまでも自重してきている」と反論し「今後も自重していく」と応じたといいます。

2013年7月1日月曜日

中韓が争う岩礁は日本の防空識別圏内

 両国が東シナ海で占有を争っている岩礁の上空にある防空識別圏内が、日本にありました。

問題の岩礁は、中国と韓国・済州島の間にあり、中国名は「蘇岩礁(そがんしょう)」、韓国名は「離於島(イオド)」といいます。中韓両国とも「自国の排他的経済水域(EEZ)内にある」と主張しているようです。

韓国が2003年に海洋調査施設を建設してから両国の対立は悪化し、中国は昨年9月、「海洋監視船だけでなく、無人航空機による定期巡察対象に指定する」といい、岩礁奪還に意欲を示しました。中国が同国初の空母「遼寧」を就役させたこともあり、韓国は「独島・離於島艦隊」の創設を検討する騒ぎに発展しています。

その岩礁ですが、パイロットが使う航空図で位置を割り出すと、何と、完全に日本の防空識別圏(ADIZ)内にあるというのです。

防空識別圏とは、各国が領空侵犯に備えるために領空の外側に設ける空域で、領土・領空などとは別の概念です。日本周辺では、第2次世界大戦後、米軍が引いたラインを踏襲し、定着しており、国際民間航空機関(ICAO)でも登録されています。通報なく不審な航空機が侵入した場合、迎撃戦闘機の緊急発進(スクランブル)の対象となります。

つまり、中韓両国の航空機が、問題の岩礁上空に行く場合は日本への通知が必要で、無断侵入すれば、自衛隊機に追っ払う正当な権利があるということです。

韓国が不法占拠する島根県・竹島は、韓国の防空識別圏内に入っています。

ある外務省OBは「中韓両国が、領土問題で日本を挑発したり、歴史問題で日本を貶めるならば、韓国の航空当局が竹島での日本の飛行計画を認めないのにならって、飛行計画をみとめないなどの圧力をかけてもいい」と、厳しい対応を促しています。ひょんなところから、日中韓のトラブルのネタが出てきたようです。