2015年6月12日金曜日

中国経済危機

  中国は、昨年11月以来3度目の政策金利引き下げに踏み切った。不況に陥った国は利下げにより内需を刺激すると同時に、利下げによって誘導される自国通貨安によって輸出をテコ入れをしようとする。

中国の場合、当局は人民元相場を安くするどころか、逆に上昇させている。利下げで景気を暖めながら、為替政策で冷や水をかける。実に矛盾に満ちていると云われている。

中国の外貨準備は昨年6月末をピークに減り続け、ピーク時に比べ昨年12月末で1500億ドル減、今年3月末2630億ドル減となった。中国は、年間3000億ドル前後のペースで外貨を調達しているが、それでも外準が大幅に減る。「世界一の外準保育」を誇っていても見せかけに過ぎず、内実は外貨窮乏症に悩まされている。だからアジアインフラ投資銀行(AIIB)の看板を掲げて、国際金融市場からも借り入れを容易にしようという算段であり、利下げは通常、資金流出を加速させる要因である。

 不動産相場が下落基調にある中では、やはりカネが逃げる。不動産がダメなら、株がある。党主導で上海株式市場に資金を誘導し、株価をつり上げている。利下げすることによって、さらに株価を引き上げる。日本、アメリカの株も上がっているが、中国の株は比較にならないくらいに高い。逆に言えば、日本の株は安いと証券会社なども煽る。しかし、上場企業の収益は悪化が止まらないので、株価は実力とはかけ離れていくばかりである。いつどーんと下がってもおかしくない。

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