ここで、英雄を求める民衆の熱望が弱いということは、もうこの先は上昇に転じるしかない、という地点まで十分に下降していない、底を打っていないということではないでしょうか、と書かれています。すなわち、庶民は、今が底ではなく、まだまだ落ちると見ているわけです。
後漢では、高級官僚になるためには、学力より、親に孝行をつくしたかどうかを重視していたそうです。「孝」という儒教道徳で、社会を統べようとしたわけです。そして、その後漢王朝が崩壊しきった大乱世に曹操や劉備のようなリーダーが現れたわけです。日本は、今、大乱世なのにそういう偉人が現れないことは、非常に不幸だと語っています。多くのひとが、そこまで落ちていないと思っているわけです。
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